期間工で働いて、一戸建てやマンションを購入したい人
「マイホームを持つ」
これは誰しも憧れることだと思います。近年ではモノを持たない、シンプルライフを求める人も増えており、生涯賃貸住宅で過ごす人も少なくはありませんが、それでもやはり自分の一戸建てやマンションを持つことを目標にしている人は多いものです。
本当に一戸建てやマンションを購入できるのか?
もちろんご存じだとは思いますが、住宅購入には「頭金」+「ローン」の組み合わせが大半です。ある程度を自己資金で入れておき、残りを25年とか30年で毎月支払っているパターンです。当然「頭金」が少なければ、「残債・ローン」は少なくなりますし、「頭金」が多ければ、「残債・ローン」は少なくなります。
では、本当に期間工で働いて、一戸建てやマンションを購入できるのか?と聞かれれば、答えは「容易ではないですがYES」でしょう。
ここで、住宅ローンの住宅金融支援機構 の「2016年 フラット35利用者調査」をもとに住宅購入について少し調べてみましょう。(この統計はあくまでもフラット35を利用した人だけです。それ以外の融資は含まれていません)
それによると住宅購入者の融資区分は、
となっています。
一戸建ての購入者が新築、中古合わせて、約8割を占めています。もちろん首都圏と地方では住宅の価格に大きな差がありますので、一概には取らえられませんが、かなりマンションが増えた現在でも、一戸建てを検討する人が多いことがわかります。
購入者でもっとも多いのは世帯年収400~599万円
次が肝心です。世帯年収でいくと、400~599万円がもっとも多く40.7%、次に多いのが世帯年収400万円未満で23.1%、3番目が600~799万円の19.7%となっています。
実は(意外かもしれませんが)世帯年収400万円未満で購入する人が、ここ10年で大きく増えていて、2006年には11.0%だったのが、2016年には23.1%と2倍以上も伸びているのです。
つまり住宅を購入する上で年収は、(もちろん低すぎれば無理ですが)さほど致命的な問題ではないことがわかります。
頭金(手持ち金)はどれ位用意しているか
「頭金(手持ち金)はどれ位用意しているか」についても、同資料の宅融資利用者の主要指標を見てみましょう。
建売住宅融資利用者の頭金(手持ち金)は
となっています。建売の新築戸建て住宅の場合です。
次に中古戸建融資利用者の頭金(手持ち金)は
となっています。
給料が高く、支出が少ない期間工という仕事
「期間工(期間従業員)で働くメリットとは?」でもご説明いたしましたが、期間工の仕事は「給料(月収)が高い」「寮が完備・家賃 0円が大半」「3ヶ月以上働くことができればOK」「正社員登用の可能性も大いにあり」といった良い点が多くあります。契約期間を満了すると、満了慰労金・皆勤手当などを含めて、総額1,200万円超えも充分可能な数字です。
期間工と普通のアルバイトでは手元に残る金額がどれくらい違うのか
期間工と普通のアルバイトでは手元に残る金額がどれくらい違うのか?
ここでは実際に募集が出ている、SUBARU(スバル)の群馬の3工場で働いた場合と普通に一般的なアルバイトで働いた場合の3年間の試算をしてみました。
●期間工:月収30万円と仮定、寮に入った場合、皆勤で期間満了を迎えた場合
●アルバイト:月収20万円と仮定、賃貸ワンルーム7万円と仮定した場合
で比較してみます。
ただし、この表は上記の実際の求人票を元に極力正確な数字を入れていますが、これ以外にかかるものもあれば、これほどかからないものもあります。所得税なども計算しておりませんし、また残業や休日出勤などによっても金額は変わってきます。
意図は、あくまでも期間工にはどのような金銭的メリットがあるのかを、わかりやすく表にしたものです。おわかりだと思いますが、正確な金額は勤務する会社によって異なりますので、ご理解ください。
期間工例 (月に30万円と仮定) |
アルバイト例 (月に20万と仮定) |
|
3年間の給料 (月給×35ヶ月) |
1050万円 | 700万円 |
皆勤手当 | 105万円 | 0 |
入社祝い金 (おおざっぱに計算) |
20万円 | 0 |
満了慰労金 | 120万円 | 0 |
住居費 (賃貸は月7万円と仮定) |
0 | ▲245万円 |
水道光熱費など (賃貸は月1万円と仮定) |
0 | ▲35万円 |
手元に残るお金 | 1295万円 | 420万円 |
これらのことを考えても、上記以上の頭金を貯めることは決して難しくありません。
ただ、住宅ローンの場合は、今後何十年にも渡って、キチンと返済できるかという観点から、継続的に働いているかということも、比較的重く判断されます。ただフラット35の場合は、勤続2年以上の実績があれば審査が可能のため、期間従業員だからといって即アウトということはありません。
できれば最初の2年間で400万円、500万円くらいの手持ち資金を用意し、(もし期間満了で一時無職となって慌ててしまうことのないように)勤務中に住宅購入のアクションを起こすのがいいでしょう。
またその後、35年に渡って、返済できるかも重要ですので、1円でも多く、お金を貯め、出来れば、勤務先での正社員雇用を目指し、ステップアップしていくのが理想です。
特に現在、一人暮らしで家賃を払いながらフリーターやアルバイトなどで働いている人、約3年間、懸命に働いてお金を貯めたい人には期間工という働き方はメリットの大きい仕事といえるでしょう。